感謝を言葉で伝えること~お家でできる勇気づけ~

学校を休んでいるとき、子どもにはどうかかわったらいいの?

お子さんが学校を休む日が続いているとき、ご家族からは「お家で親ができることはありますか?」と質問をいただくこともしばしばあります。

お家の中で、過ごしている間も子どもは自分自身で内省を行い、考え、思いを巡らす時間を取ったりしています。

決して無駄な時間ではないのですが、親御さんからすると、子どもに対して他に何かできることはないかと考えることも自然なことかもしれません。

もちろん、お子さんの状況によっても、かかわり方は変わってきますが、本日は私もカウンセリングで良くお伝えしていることをご紹介していきますね。

感謝を伝えることを大切に

お家の中で、親御さんからのかかわりで意識していただきたいこと。

それは、感謝の気持ちを伝えること。

言葉で表せば、「ありがとう」になります。

「え?たったそれだけ?」と思われたかもしれません。

実際に、日常の中ですでにされている方も多いかもしれません。

もうすでにしているという親御さんは、それはとても大切なことですので、ぜひ続けていきましょう。

それでは、なぜ「ありがとう」という感謝を伝える言葉が大切なのでしょうか。

自分には、誰かを助ける力があること

「ありがとう」という言葉を交わすやり取りについて、少し詳しく考えていきましょう。

あなたは「ありがとう」と言われたらどんな気持ちになりますか。

細かく言えば、「相手による」かもしれませんが、多くの場合は「嬉しい」と感じるのではないでしょうか。

そして、この「嬉しい」という気持ちも、「すごいね」、「えらいね」とほめられたときの「嬉しい」とは少し感覚的に違いますよね。

「ありがとう」とは、感謝を伝える言葉、つまりこの言葉が出る前には、「あなたは私を助けてくれた」という前提があります。

そして、「ありがとう」と伝えられた人は、「自分は相手を助けることができた!」ということをその時実感します。

そう、「ありがとう」という言葉は、伝えられた相手が「自分には相手を助ける力(貢献できる)がある!」ということを確かめられるものなのです。

ヨコの関係で生まれる言葉

「ありがとう」という言葉には、もう一つ特徴的なものがあります。

それは、この言葉を交わす際は、ヨコの関係が生まれているということです。

どういうことかというと、ヨコの関係には、目上、目下など、上下のタテの関係が存在していません。

「助けてもらった人」から、「助けてくれた人」に感謝を伝える言葉です。

例えば、「すごいね」、「えらいね」という言葉も、褒める言葉として思い浮かびますが、こちらタテの関係となります。

つまり、目上の人が、目下の人の行為を、目上の人の価値基準で主観的に評価を与えるコミュニケーションとなります。

もちろん、褒められた人は嬉しく感じることも多いですが、ほめ言葉は主観的に評価になりやすいものです。

それはつまり、同じ行いでも、人によってほめてくれるかどうかは変わる可能性があり、様々な人からそうした主観的な評価が積み重ねると、いつしか相手の顔色をうかがうような意識も強くなってしまうケースがあります。

自信をつけるために褒めているにも関わらず、相手の顔色をうかがうような態度が強くなるのはもったいないですよね。

けれど、「ありがとう」という感謝の言葉は、「すごいね」などの主観的なほめ言葉に比べて、上下のタテの関係が発生しづらいため、「自分には誰かを助ける力があること」を自覚し、主体的に動く自信となります。

お家で「ありがとう」と言える瞬間?

お家の中で「ありがとう」という言える瞬間はどういうものがあるでしょう?

親御さんともよく一緒に考えるのですが、

  • 食器を片付ける
  • 洗濯物を取り込む、たたむ
  • お風呂掃除
  • 買い物
  • 荷物を運んでもらう

こうした日常の生活の中であることを大切にしています。

特別な何かをしなければいけないわけではありません。

また、「学校を休んでいるのなら、〇〇くらいして」と不登校の状況と関連付ける必要もありません。

もしお手伝いをしてくれなかったとしても、それをとがめる必要もありません。

関連付けてしまったり、とがめてしまうと、それは「休んだ罰」や義務のように子どもに伝わってしまい、「ありがとう」という感謝の言葉を伝えても、本来の意味が弱まってしまうでしょう。

目的は、あくまで「自分は誰かを助ける(貢献できる)力がある」と実感すること。

学校は関係なく、あくまで同じ家で暮らす家族の一員として、協力するやり取りの中で伝えることが大切です。

しかしながら、ご家庭の状況によっては、そうしたお手伝いなどを子どもがするような状況ではないこともあるかもしれません。

そうした場合は、まず取り組むテーマは親子の関係など、他のところにある可能性もありますので、無理にお手伝いの機会を設けない方がいいかもしれません。

周りに振り回されない自信

「自分には誰かを助ける(貢献できる)力がある」という実感は、その子の自信につながっていきます。

自信をつけるためには、いくつか方法があり、誰かとの競争に打ち勝ったり、何かの目標を達成することでも自信は得られます。

しかし、こうした自信の付け方は、競争相手や、目標のレベルなど、条件次第で達成できるかどうかは変わっていきます。

そして、多くの場合、だんだんと達成し続けることが難しくなります。

大切な自信の付け方では確かにあるのですが、こうした方法は達成できたかどうかで自信も変わるという欠点も抱えています。

しかし、「ありがとう」という感謝を伝える言葉には、競争相手も、チャレンジする目標もありません。

そうした意味で、周りに振り回されずに自信をつけていくことができるでしょう。

日常の中で感謝を伝えることを大切に

ここまで、「ありがとう」という感謝を伝える言葉について、その意味や効果についてお話してきました。

「ありがとう」と伝える瞬間は、日常の中に意外と多くあるかもしれません。

そして、「ありがとう」の言葉は、伝えられた人だけではなく、伝えた人も嬉しくなります。

今している人はぜひそのやり取りを大切に、最近伝えていなかったなと思った人は少しだけ意識してみてくださいね。

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