お子さんが不登校の状況にあるとき、あるいは学校に行ったり行かなかったりと五月雨登校のとき、
学校に欠席の連絡を親御さんがすることも多いでしょう。
そんなとき、学校の先生にはあなたはどのようにお伝えしていますか?
「すみません、今日はお腹が痛いようなので学校休みます。すみません。」
日本人なら、ついつい言ってしまいがちな「すみません」という言葉。
あなたはどうでしょうか?つい、言ってしまっていると気づいた方も多いかもしれません。
日本語の「すみません」は、いくつかの意味を持っています。
例えば、挨拶のように声をかける際に話すこともあるでしょう。
「すみません、これっていくらですか?」
このように、買い物で尋ねるときなど。
こうした場合には、謝罪の感情はそこまで込めることはありません。
しかし、次のような状況ではどうでしょう?
「先生も時間を調整してくれて待ってくれている」
「担任が他の先生にも掛け合ってくれている」
「子どもが過ごしやすいようにと、特別に空き教室を開放してくれている」
こうした配慮をしていただいている状況では、
それに対する感謝や申し訳なさから「すみません」という言葉が出ることはあるでしょう。
ただし、「すみません」の言葉は言いすぎないように、注意しましょう。
「すみません」という言葉は、謝罪するときによく使われます。
そして、私たちが謝罪するときには、自然と罪悪感を心の中で抱いています。
それでも、その罪悪感も、時折感じたりするのであれば問題ではないでしょう。
しっかりと反省し、次の行動に活かすためにも罪悪感は大切な感情だと思います。
けれども、これが毎朝学校に連絡するたびに続いたらどうでしょうか?
「すみません、今日もお腹が痛いと言っているので休みます。」
同じ理由を毎日伝えることも、憂鬱な時間となるかもしれません。
それでも、子ども自身が学校に伝えることができないときは親が連絡をするしかないこともあるでしょう。
毎日毎日、罪悪感を感じ続けることは、過剰に自分自身を責めてしまい、自分の心を傷つけてしまいます。
そうした状況は、親自身のメンタルヘルスにとっても、良い状況ではもちろんありません。
そもそも、不登校とは、その多くは何らかのストレスから自分の心を守るために取っている行動となります。
誰かを傷つけているわけでもありませんし、誰かの権利を侵害しているわけでもありません。
学校に行った方がいいことは感覚的にわかっていながらも、
自分の心がつぶれないように心を守るために学校を休むという行動を選んでいる状況です。
風邪を引いたら体を休めるように、心にストレスが強くかかっているときには心を休めようとしているだけです。
お子さんは悪いことをしているわけではありません。
学校の先生がしてくれた配慮に対して、感謝の気持ちも込めて「すみません」と伝えるのはいいかもしれませんが、自分自身を責めてしまうような「すみません」は気を付けましょう。
もちろん、親が悪いわけではありません。
もし、可能ならば、「欠席したときの学校への連絡のあり方」について、担任の先生に相談するのも一つです。
具体的には「欠席するときには、学校に連絡する」のではなく、「登校するときに、学校に連絡する」に変えてみる。
もちろん、連絡のあり方を変えることで、「学校を休むこと」を受け入れることにもなるでしょう。
そのこと自体も親にとっては、ストレスとなる瞬間かもしれません。
けれども、不登校はお子さんの状況によっては、ゆっくりと過ごせる時間を持つことが大切なケースも多くあります。
それぞれの学校で、出席状況の把握のルールは異なると思いますので、どの学校でもできるわけではないかと思います。
それでも、もしそうした対応もしていただける学校であれば、一度担任の先生にご相談してみることも一つでしょう。
不登校というテーマは、「子どもをどのようにサポートするか」と、ついつい子どもにその焦点が当たりやすくなります。
そして、「親はどのように子どもに関わるのが良いのか」など、親は子どもをサポートする側として扱われることが多いでしょう。
けれども、実際にカウンセリングで関わらせていただく中では、親にも当然サポートは必要だと感じています。
私たちの社会は、ついつい親にいろんな役割を期待しすぎているのかもしれません。
そして、親もその期待に応えなければならないと背負いすぎているのかもしれません。
カウンセリングでも「私の子育てが良くなかったんだと思います」と話す親御さんも多くいらっしゃいます。
サポートをする側として扱われている親が、自分の心の悩みを誰かに打ち明けることは勇気がいることです。
だからこそ、もし相談できる人が身近にいるのであれば、自分自身の心も労わることも大切にしていきましょう。
また、周りの方々は親が抱えるストレスについても理解をしていきましょう。
そして、自分の心を労わるために、具体的にできる工夫があるのであれば、取り入れていきましょう。