久しぶりに学校の校門をくぐる、教室に入る、テストを受ける、部活に行く。
あるいは進学する、転校する、留学する、など。
子ども自身、様々なテーマと向き合う中でチャレンジする機会は出てくるでしょう。
けれど、環境が変わることは誰にとってもストレスを感じるものです。
中には、人よりも強くそのストレスを感じる子もいるでしょう。
だからこそ、周囲の人たちはどのように子どもをサポートするのが大切なのでしょうか?
何かに挑戦する時に大切なマインドセットは、「今、自分ができることに集中する」ということ。
「完璧にやらなくてはならない」、「100点をとらなきゃ」、「優等生じゃないと」などと追い込まなくて大丈夫。
その日、その瞬間、自分ができることに集中すること、これがチャレンジする際に大切なマインドセット。
私たちが感じるストレスには、いろんな切り口で分けることができます。
その分け方の一つに、「自分がコントロールできるストレス」と「自分がコントロールできないストレス」というものも。
例えば、
「雨が降っているから外出はしたくないけど、今日中に買い物に行かないいけない」
そんな状況でも、「外出するかどうか」は自分でコントロールすることができますよね。
一方、「雨が止むかどうか」は自分ではどうすることもできません。
「外出するかどうか」というストレスは、自分で解決することができますが、「雨が止むかどうか」は自分の力では一生解決できません。
もし、自分ではコントロールできないもので悩み続けた場合は、それは一生解決できない悩みを持つことを意味しています。
自分でコントロールできるストレスは悩んでもいいですが、自分でコントロールできないストレスは、そもそも悩まないということも大切です。
実際、カウンセリングの場面でも、「そのストレスはコントロールできるものなのかどうか」という視点は役立ちます。
例えば定期テストのときに、「テストで赤点(欠点)は絶対取りたくない。でも、取ってしまったらどうしよう…。」と不安な気持ちを口にする子がいました。
そこで、子どもと一緒に、その不安な気持ち、ストレスを「コントロールできるものとできないもの」に分けて考えてみました。
そうして考えてみると、「赤点を取りたくない」という不安は、いくら願ったとしても、ある瞬間に解消できるものではありません。
なぜなら、当日出題される問題はその時間になるまで知ることはできず、いくら勉強をしていても当日とても難しい問題ばかりが出題されればどうしようもできないかもしれません。
ですので、「赤点を取りたくない」という不安と向き合うために、自分がコントロールできるものは何かと考えると、それは「当日出た問題一つ一つに集中して解くこと、そして見直しをすること」ということになります。
それに集中することが最終的に自分の求める結果(赤点を取らない)を得るために、自分ができることだということをその子と確認し、テスト本番を迎えていきました。
「絶対勝つんだ!」、「絶対記録を更新するんだ!」というように、たしかに自分にプレッシャーをかけることで、より力を発揮できることはあるでしょう。
ただし、そのプレッシャーも強くなりすぎてしまえば、逆にその人が本来持っている力を押さえつけてしまいます。
「自己ベストを出すこと」よりも、「全力を尽くすこと」。
いつも絶好調ということはなく、もしかしたらその日は調子が悪いかもしれません。
それでも、その日、その瞬間に、自分ができることは、できる限りやろうという意識が、不安に振り回されずに挑戦するポイントになります。
ここまでの中で、挑戦する時に大切なマインドセットについてご紹介しました。
子どもが、今できることに集中できるように、私たちもそれを後押しできるような、支えるような態度でかかわっていくことが大切です。
具体的には、「できる範囲でやったら大丈夫。」と安心感を伝える言葉もいいでしょう。
あるいは、「できる限りのことをやってこよう!」と後押しする言葉もあるかもしれません。
子どもの不安が少しでも和らいで、チャレンジと向き合えるように、私たちもできることをしていきましょう。