なぜ嫌なことばかり起こるの?~選択的注意と上手に付き合おう~

なぜか嫌なことばかり続いてしまう

「どうせやったって上手くいかないし」
「自分には運がない」
「学校行っても嫌なことばかり起こるんだ」

子どもたちとお話をする中で、こうした言葉を聞くこともあります。

詳しく聞いてみると、確かに不運なこともあれば、理不尽なこともあったり。

そんな出来事が続けば、なかなか未来を明るく思い描くことも難しいかもしれません。

未来に期待をして、結果裏切られる経験をした人にとっては、再び裏切られる痛みは耐え難いものかもしれません。

それなら、最初から未来に期待しない方が傷つくこともないかもしれません。

自分の心を守るための苦肉の策という見方もできるでしょう。

けれど、その考え方ばかりになってしまうと、新たな発見も、成長の機会もなかなか巡ってこないですよね。

今回は、こうした悲観的なものの見方について、お話をしていきたいと思います。

物の見方に影響を与える「選択的注意」とは?

「選択的注意」という言葉、あなたは知っていますか?

選択的注意

人が大勢いるところや、お店など商品が多く並んでいるところなど、情報が多くある状況の中で、ある情報に注意を向けること。
代表的なものは「カクテルパーティ効果」といい、人が多いパーティの中でも、自分の名前や相手との会話などは簡単に聞き取ることができる。

この選択的注意は、私たちの日常の中でもよく働いています。

例えば、
今、あなたのスマホのホーム画面にはアプリが何個入っているか確認できますか?

そして、特によく使うアプリは何個あるでしょう?

いくつぐらいあったでしょうか?

そして、もう一つ質問をさせてください。

スマホの時間は何時何分でしたか?

答えられましたか?

実際、この質問に正確に答えられる方はそう多くはありません。

スマホの画面を見て、アプリを数えていたわけですから、時刻も視界には入っていたでしょう。

けれども、「アプリの数を数えること」に集中すると、時計の時刻は視界には入っていても、それを認知することはしにくくなります。

人は意識を向けたものを優先的に認知し、意識を向けていないものは、それがたとえ目で見ていたとしても気づくことはありません。

これも選択的注意の働きによるものです。

「嫌なことばかり続く」これも選択的注意の仕業?

もしかしたら、最初は偶然嫌なことが続いたのかもしれません。

しかし、それが続くことで

「嫌なことがこれからも起こるのではないか?」

そんな思いが浮かび、いつしか思い込みになってしまうことがあります。

それは、期待して裏切られる痛みから心を守るための方法だったかもしれません。

けれど、こうした思い込みを持ちながら、日々を過ごしていくと、選択的注意はどのように働くでしょう?

そうなのです。

残念ながら、選択的注意によって、嫌なことに気づきやすくなってしまいます。

良いことも起きているかもしれませんが、「嫌なこと」に注意を向けていると、良いことには気づきにくくなってしまいます。

嫌なことばかり起こるという思い込みに引っ張られてしまい、
それにより嫌なことに気づきやすくなる

こうした負のスパイラルに入ってしまうと、穏やかな気持ち、明るい気持ちを取り戻すのはなかなか難しいかもしれません。

選択的注意とどのように付き合う?

「嫌なことばかり続く」という悲観的な考え方には、選択的注意も影響していることをお話してきました。

では、選択的注意という仕組みとはどのように付き合っていけばよいのでしょうか?

もしかしたら、すでにお気づきの方もいるかもしれませんね。

それは、「良いことばかり続く」という思い込みを持つことです。

「良いことばかり続く」という思い込みを持つことで、実際に良いことに気づきやすくなる。

良いことの気づきが続くことで、さらに「良いことばかり続く」という思い込みが強く持てる。

こうした正のスパイラルにも、選択的注意は力を発揮します。

理論的にはこのようにガラッと思い込みを変えることで、日常もガラッと変えていくことはできるのでしょう。

けれでも、そんな簡単に変われるのかな?とも思うでしょう。

実際に気持ちがなかなかついていかないかもしれませんね。

だからこそ、まずは「嫌なことばかり続く」という思い込みをちょっとだけ変えることを意識するぐらいがちょうどいいかもしれません。

ある出来事を親子で一緒に振り返るときに

「心配していたけど、特に嫌なことは起こらなかったね。」

こんな言葉をかけるだけでもいいでしょう。

実際、「嫌なことばかり続く」という思い込みをその人が持つことになった背景を考えると、

「傷つくことから自分の心を守るため」というその人にとっては大切なお守りとなっているかもしれません。

自分の心を傷つくことから守ってくれた思い込みは大切に扱いながらも、
それを手放しても安心して過ごせる時間を少しずつ増やせるように。

まずは、振り返りの中で「特に嫌なことは起こらなかった時間」を大切にしていきましょう。

そして「嫌なこともあるけど、嫌なことばかりではない」というような物事の受け止め方もできるようになると、日常の生活を過ごす気分も変わるでしょう。

ゆくゆくは、未来へのイメージも明るいものになっていたら嬉しいですね。

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